世界遺産の首里城で大規模火災発生

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出典:首里城火災、出火当時は無人か 沖縄県、正殿など7棟焼失 | 社会 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE

こんにちは、massaです。

 

朝起きて衝撃的なニュースが飛び込んで来ましたね。

 

僕も過去に言ったことがありますが、日本本土のお城と違い、沖縄独自の色使いで琉球王国という感じがしますね。

世界遺産にも登録されて、修理も終わったばかりでほんとに残念でなりません。

 

何故あそこまで拡大したの?

スプリンクラーとかなかったの?

と思われる方もいると思います。

 

そこで今日は首里城の設備について焦点をあて、書きたいと思います。

 

首里城に設置された防災設備

 

"31日火災で焼失した首里城。防災設備は消火器や屋内消火栓、屋内消火栓ポンプユニット、放水銃、ドレンチャー設備などがあったが、スプリンクラーなどの消火設備は設置されていなかった。"

引用:首里城、スプリンクラーなし 推奨も管理者把握せず(琉球新報) - Yahoo!ニュース

 

となっています。

防災設備は

  • 消火器
  • 屋内消火栓
  • 放水銃
  • ドレンチャー

 となっています。

 

ここで屋内消火栓、放水銃、ドレンチャーと中々聞きなれない設備が出て来ましたので簡単に説明します。

 

屋内消火栓

 

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出典:個人のお客様へ | 防災について学ぶ | 消火設備の種類 | 屋内消火栓設備とは | 能美防災株式会社

簡単に言えば、無人の消防車が置いてあるような設備です。

屋内消火栓はハッチを開けるとホースとホース筒先が既にセットしてあり、ボタンを押すだけで水が出る状態になっています。

屋内消火栓は消火器では消せないような状態の火災、具体的に言うと天井に炎が到達している場合などに特に有効に使用出来ます。

 

放水銃

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出典:文化財防災システム | 能美防災株式会社

字の通りです。簡単に言えば、据え置き型の水のマシンガンのような物です。

これも上記と同様すでに配管が繋がっており、すでに水が出せる状態になっており、普段は箱が被せてあったり、地中の中に隠れていたりします。

放水銃は、延焼防止などの目的で設置され、中には自動で放水してくれるものもあるので不慣れな人でも大丈夫です。

 

ドレンチャー

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出典:「SP/PA/MO/EL/BC/NA/CD」:ドレンチャー

一番聞きなれない言葉だと思います。

簡単に言えば、水のシャッターです。

マンションなどで防火区画(炎を止める場所)を作る際に主にはシャッターを使ったりしますが、区画が広かったりするとシャッターを設置するのは到底現実的ではありません。

そこでドレンチャーという水のシャッターを使い、火災が起きたときに水を出しそこで煙や炎を食い止める設備となっています。

 

実はドレンチャーは消防用設備ではありません。

どちらかというと建築基準法での防火扉のような設備の一部として規定されています。

 

何故スプリンクラーはないの?

たぶん皆さんそう思われるでしょう。

消防法の設置基準では、重要文化財等では11階以上にだけつけるようになっています。

だからありません。

 

ちなみに同じ世界文化遺産の姫路城にはついています。

あくまで義務ではなく、自主設置という形でつけているのだと思います。

 

何故あそこまで広がったのか。

原因としては3つあると僕は考えます。

  • 燃えやすい素材
  • 早い段階での消防用設備の不使用?
  • 天候
燃えやすい素材

過去に見たことがありますが、それは豪華な作りで至るところに油が塗られている木材がありました。木造建築物というだけで炎の成長が早いのに、さらに油というブーストがかかれば炎の周り方は僕たちが考えているより何倍ものスピードで周るでしょう。

 

早い段階での消防用設備の不使用?

火災を発見した人は早期に設備を使わないといけません。

今回の火災ではシャッターを開けると既に煙が充満していると記事で見ましたがその状態であればすぐにドレンチャー、放水銃を全て使用し、まずはそこで火災を食い止めるようしなければいけません。

ただ使用されてて、止めれない火勢であったのかもしれませんが…。

 

天候

 湿度は沖縄ですので、本土ほど低くなく乾燥はしていませんが、当時は風が強かったみたいです。燃焼の3要素として、可燃物、酸素供給体、点火源があります。その酸素の供給が風により行われ、炎が大きくなり、輻射熱にて延焼していったと考えられます。

 

 

僕個人として重要なのは、2番目の消防設備の不使用?です。

高いお金をかけて設置、維持管理しても使わなければ意味がありません。

ドレンチャー、放水銃は手動起動のため、忘れていたら使われることはありませんので。

 

 最後に

今回の火災はほんと心が痛くなる火災でした。

やはり大事なのは、発見、通報、初期消火だと思います。

消火設備は消防士さんが使う物ではなく、火災を発見した人、関係者が使う物です。

火災を発見したら迷わず、使うようにしましょう。

 

 

ちなみにこれだけ大きな火災になると消防法の改正があると思われます。

おそらく面積もしくは文化財のクラスで分けられるかもしれませんが、多くの文化財は今後スプリンクラーの設置義務が発生すると思われます。