首里城の大規模火災・続報

 

首里城の火災について、続々と色々な情報が出て来ましたね。

 

その中でも一番びっくりした情報は火災発生時の動画ですね。

 

火災発生時の動画

 

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沖縄の友達から送られてきた、首里城の炎上動画。
数十年かけて復元したばかりなのにとても悲しい。
那覇市が募金の口座も開設するらしいので確認してみてください。 pic.twitter.com/xeD3jpSwgg

— みさ@内科医の妻 (@misadrmmisa) October 31, 2019

 

 

凄い状況の貴重な動画ですね。

 

誰かどの状況で撮影したのかは他のサイトなどで追跡してもらうとして、

この動画などからわかることを解説したいと思います。

動画から判明したこと

  • 放水銃は使用されていない。
  • 放水銃は使用不可能である。
  • 出火は正殿で間違いない。

 

放水銃が使用されていない

昨日のブログでは、

”今回の火災ではシャッターを開けると既に煙が充満していると記事で見ましたがその状態であればすぐにドレンチャー、放水銃を全て使用し、まずはそこで火災を食い止めるようしなければいけません。”

と書きましたが動画を見ると使用されていませんでしたね。

放水銃は使用不可能

放水銃ですが、この状況では使用不可能です。

これだけ火勢が強い状況下では自動放水銃でないと使用は難しいと思います。

放射熱で放水銃を使う人が焼け死んでしまいます。

出火は正殿で間違いない。

この動画では正殿、南殿、北殿と映っていますが、

屋根が抜けているのが正殿のみです。

火災が発生すると熱が上部へ伝わっていくため、出火した建物から屋根が抜けていきます。

ですので、正殿が出火した建物で間違いないです。

また南側の屋根がこの動画では残っているようにも見えますので、正殿の北側から出火の可能性が高いと考えられます。

 

動画の撮影された時間

ネットの記事などでは2時半~3時の間ではないかとされていますが、

僕の個人的見解では、3時~3時半の間ではないかと考えます。

その理由は以下の通りです。

理由
  1. 消防隊の使用するホースは伸びている。
  2. 消防隊の現場到着時刻

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引用:警報で駆けつけるもすでに煙が充満 消火器で初期消火できず 出火1時間前の巡回「不審点なし」 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

 

消防の到着時刻が2時50分となっており、

あの階段を上りあそこまでホースを伸ばすのには10分以上かかると予想出来ます。

 

ですので、動画が撮影された時刻は3時~3時半の間ではないかと考えられます。

 

消火設備の設置状況について

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出典:首里城焼失 国が防火設備撤去 安全管理の見通しの甘さ浮き彫り - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース

 

設置状況についても記事が出ました。

この設置状況から僕が驚いた点は3点です。

  • 正殿にしかドレンチャーがない
  • 放水銃も正殿の周りにしかない。
  • 放水銃が撤去されている。
正殿にしかドレンチャーがない

昨日のブログでドレンチャーについては、記載していますのでよければご覧になってください。

massacosp.hatenablog.com

 

ドレンチャーというのは、本来外からの炎を守るものであって内部の火を消すものではありません。

ですので、ドレンチャーを使用してもこれでは何の意味もありません。

他の建物にドレンチャーがつけられていたら延焼は防げたか延焼のスピードは和らいだと考えられます。

 

放水銃も正殿の周りにしかない

放水銃が正殿の周りにしかなく、他の建物にはないということです。

 

放水銃が撤去されている

建物が増築されたりして、撤去されるのは仕方ないことだと思いますが、

何故撤去したのにその代わりの物を設置しなかったのでしょう?

関係者の災害に対する認識の甘さが出たのかもしれません。

 

図面を見て感じたこと

もうお気づきの方もいるかもしれませんが、

この配置は正殿を守るためだけの設備の設置です。

正殿以外で火事が起こり、その火事を守るという考え方ではこの設備の配置で対応は可能と考えます。

 

でも正殿から火事が起こり、その他へ延焼していく時にはこれでは止めることは出来ません。何故他の建物にもドレンチャー・放水銃の配置は行われなかったのでしょうか?

 

最後に

首里城の消防設備の図面を考えた人は今後悔しているでしょう。

おそらく、消防さんからは設備の設置を勧められていたでしょうから。

 

那覇市の消防士の皆様本当にお疲れ様でした。